2014年12月23日

妖精チャックとクリスマスプディング その1

 妖精チャックは葉っぱの妖精。
 ランタン草の葉っぱに住んでいる妖精です。
 妖精チャックは葉っぱの妖精。
 いつも面白いことを探しているのです。


 それはクリスマスが近づいたある日のこと。
 チャックは仲良しのマーチと一緒にクリスマスパーティの準備を始めました。
 楽しくて面白いことが大好きなチャックは、仲間たちと集まるパーティが楽しみで仕方ありません。素敵なパーティにするために、あれこれ考えます。
「ほら、その飾りはあっちの壁に。この飾りはその窓だよ」チャックは大張り切りで指示を出します。「違う、違う、そのキラキラしたのはツリーの飾り、そのふわふわしたのはテーブルの上だよ」
 
 ようやく準備が整ったところで、チャックは大きな声をだしました。「しまった!」
 驚いたマーチが尋ねます。「どうしたんだいチャック?」
「うっかりしてたよ、マーチ!大切なものを忘れてた」
「大切なもの?」
「そう!」
「大切なものって?ツリーもキャンドルもちゃんと準備できたのに?」
「そんなものより大切なものだよ!」
 マーチは考えます。「クリスマスパーティで、ツリーより大切なもの?」
「そうとも!分らないかい、マーチ」
「うーん……降参だよ、チャック。一体何を忘れてるって言うんだい?」
「クリスマスプディングだよ!」
「クリスマスプディング!」

 クリスマスプディングというのは、クリスマスの日に食べる特別なお菓子のことです。

「クリスマスプディングの無いクリスマスなんて、クリスマスじゃないよ!」
「どうする、チャック。今から作るつもり?そんなの間に合いっこないよ。第一、ボク、クリスマスプディングの作り方なんてわからないよ」
「ボクも知らないけど、絶対に必要なんだよ、マーチ。だってクリスマスプディングがなきゃ、金貨あても出来ないし…」
 チャックは、パーティで切り分けたプディングに祝福の金貨が入っているかを探すのが大好きなのです。
 二人は途方に暮れてしまいました。
 だって美味しいクリスマスプディングを作るのは、とても時間がかかるのです。
「そうだ!」何かを思いついたようにマーチが飛び跳ねました。「洞窟の魔女のところに、クリスマスプディングを分けてもらいに行こうよ」
「洞窟の魔女だって?」
 チャックは驚きました。なぜなら、洞窟に住んでいる魔女は、とても偏屈で意地悪だと噂だからです。
「ところがね、チャック」マーチが説明します。「魔女はクリスマスプディングを作るのが大の得意で、この得意料理をみんなに食べさせたくて仕方ないんだって。だからこの時ばかりは意地悪な魔女もたいそう愛想がいいんだってさ」
「本当かい?」
「うん、ヤマアラシのチクチクも、黄色熊のペロットも、去年おすそ分けをもらったんだって。ほっぺが落ちるほど美味しかったらしいよ」
「へえ!それが本当なら、ぜひ食べてみたいね」
 そうしてチャックとマーチは、洞窟の魔女のもとへと向かうことにしたのです。

(その2へ続く)
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