2014年12月25日

妖精チャックとクリスマスプディング その5

 クリスマスプディングのを作る為の材料を探す。
 それは何だか、クリスマスにピッタリのイベントのように思えて、チャックはワクワクして来ました。

「どんな材料を集めればいいの?」

 チャックは魔女に尋ねます。

「ちょっとお待ちよ、今、書き出してあげるから…」

 魔女は羽根ペンにたっぷりインクをつけると、スラスラと羊皮紙に材料を書き出してくれました。

「本当に集められるのかい?」

 今度は魔女が、ちょっぴり心配そうに尋ねます。

「まかしといて。きっと材料を集 めてみせるさ」
「なら、あたしはプディングを作る準備をすすめておくよ」

 チャックとマーチは魔女の洞窟を飛び出します。北風の寒さも気になりません。二人はそれぐらいワクワクしていたのです。

「ごらんよ、チャック!ダンテじいさんだ!」

 見るとアルベーロの森の出口、そこに立つひときわ大きな木の枝に、ミノムシのダンテじいさんがぶら下がっていました。

「ちょうどいい!ダンテ爺さんに聞いてみよう!」
「うん」

 ミノムシのダンテじいさんはとても物知り。森の事ならなんでも知っているのです。

「ダンテじいさん、聞きたいことがあるんだ」チャックが声をか けます。
「おや?お前はランタン草の妖精じゃないか。こんなところでどうしたんだ?」ダンテじいさんは風に揺られてゆらゆらゆれながら答えます。
「何でも知ってるダンテじいさんに、聞きたいことがあるんだ」
「ほうほう。わしに聞きたいこと?」
「ボクたち、クリスマスプディングを作る為の材料を探しているんだ。どこに行けば見つかるか、教えてくれないかな?」

 そう言いながら、チャックとマーチは羊皮紙に書かれた材料を読み上げます。

「七色プラム、水干し柿、赤いちじく、青葡萄、金色リンゴ、ミルククルミ、双子ナッツ、星の粉砂糖、それから……」

 それを聞いたダンテじいさんは小さな身体の小 さな目玉をまんまるにして言いました。

「おいおい、お前さんたち、そいつを今から全部集めるつもりかい?ああ、そうか。来年の準備というわけだな?気の早いことだ」
「違うよ、ダンテじいさん!」チャックが口を尖らせます。「今年のクリスマスパーティに使うんだよ!」

 そこでダンテじいさんは益々おどろいて言いました。

「そいつは呆れた!知らないのか?クリスマスプディングを作るのは、とても時間がかかるんだ。これからじゃとても間に合いやしないぞ」
「大丈夫さ!洞窟の魔女が作ってくれるんだ。」
「だからお願いだよ、どこに行けば材料が見つかるか教えてほしいんだ。」
「魔女のクリスマスプディ ング!なるほどなるほど、魔女が作るなら間に合うかもしれん。いいだろう。教えてやろう。でも、1つ条件がある」
「条件?条件って?」
「わしにもそのプディングを食べさせてくれるなら教えてやろう」

 チャックとマーチは顔を見合わせました。でも、勿論答えは決まっています。

「いいよ!」

 チャックがそう答えると、ダンテじいさんはニコニコ身体を揺らしながら、材料のありかを教えてくれました。

(その6につづく)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/108305201
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック