2014年12月25日

妖精チャックとクリスマスプディング その8

 チャックとマーチが時計回りにかき混ぜると、生地はキラキラと色を変えて輝きます。
 それはきっと七色プラムのせいです。
「よし、いいだろう」
 魔女はそういうと、どろどろになったその生地を、使い込まれたプディングの型に流し込みます。
「おっと、コイツを忘れちゃいけないね!」
 魔女がパチン!と指を鳴らすと金貨が現れました。その金貨をプディングの中に埋めます。
「幸運の金貨だね!」とチャック。
「そうさ!」魔女は型にぎゅっと蓋をすると、今度は銀色のお湯が煮立ったその鍋の上に網をのせ、さらにその上にのせて蒸し上げていきます。

「本当は、蒸しあげてじっくりじっくり時間をかけて寝かせてやるんだ。でないと美味しくならないからね」
「でも、それじゃあクリスマスパーティーに間に合わないよ」
「わかってるさ。ここからが魔女の腕の見せどころだよ」

 魔女が口の中で何やら呪文を唱えると、暖炉の中からキラキラとした灰が舞い上がり、プディングが入った鍋を包み込みました。それはまるで金糸と銀糸で織り上げられた、大きな繭のようです。
「さあ、これでよし!」
 チャックは尋ねます。
「これからどうなるの?」
「あとはあたしに任せな。なあに、ちゃんとパーティに間に合うように届けてあげるよ」
 魔女に言われて、チャックとマーチは洞窟を後にしました。もちろん気になって気になって仕方ないのです。けれどパーティの用意も進めなくてはなりません。もうすぐ仲間たちもやってくるころです。
 二人はチャックの住む、ランタン草で、魔女が来るのを待つことにしたのです。

(その9につづく)
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